dr-machida.com 2008年6月25日更新

強剛母趾に関する質問集

強剛母趾になると、どうなるのですか?
 強剛母趾では母趾のMTP関節(付け根の関節)が痛くなります。特に足の親指を上に伸ばすと痛みが出ます。の軟骨が損傷されます。軽いうちは、爪先立ちやハイヒールの時に痛みを感じます。中程度になると、母趾を上に向けるのが制限されます。重度になると、この関節はほとんど動かなくなります。

 親指の付け根の関節の部分に上に向かって骨が飛び出しているのが触れます。外反母趾も同時にある事もありますが、別の病気ですから治療は外反母趾とはまったく違います。


赤ちゃんの強剛母指と違うのですか?
 まったく違います。強剛母指(pollex_rigidus)、強直母指は乳幼児、つまり赤ちゃんの親指が曲がったままになって伸びない病気です。手の強剛母指は日本の整形外科医によく知られていますが、足の強剛母趾は足の外科に詳しい一部の整形外科医にだけ知られています。お間違い無く。

 なお、同様に大人で手指の腱がひっかかり、伸びなくなるのは、"ばね指"、"弾発指"と呼びます。

強剛母趾のレントゲン写真は?
 立った状態で横からX線写真をとると、母趾のMTP関節(付け根の関節)に骨が持ち上がっています。円の中央部。

反対側(健側)のX線写真です。

強剛母趾の原因はなんですか?
 先天的に骨の形に問題があったり、運動により軟骨に傷がついて、少しづつ骨が盛り上がってきたと考えられます。

強剛母趾ではどんな靴を履けば良いのですか?
 母趾が上に曲がりにくい靴を履きます。靴の底を硬くして、中敷きは親指が下がるように加工します。母趾が曲がり難いように靴底の先端を改造します。

強剛母趾の手術はどうやるのですか?
 欧米では関節唇切除術(cheilectomy)と関節固定術がゴールデン・スタンダードと言われています。その他に楔状骨切り術や人工関節が一部で行われています。私は関節唇切除術を行っています。

関節唇切除術(cheilectomy) 左図
 発見が早く、関節軟骨が残っている場合には、骨の飛び出している部分だけを切り取ります。麻酔は全身麻酔、腰椎麻酔、足関節ブロックなどを用います。私は足関節ブロック麻酔で足首から先の痛みを無くします。外反母趾の手術と同時に行うこともマレにあります。ほとんどの場合、手術前よりも母趾の関節の動きが良くなります。30分間くらいで終わる手術です。痛みを我慢しながら様子を見るより、早めに行う事をお奨めします。関節の軟骨が削れてしまう前に行えば、その後の関節破壊が防止できます。


関節固定術
 関節軟骨が残っていないほど重症例では関節を歩き易い角度に固定します。関節の痛みは確実に取れますが、動きは犠牲になります。術後は洋式の生活に切り替えます。術後の靴は整形靴を調整する事をお奨めします。アウトソールのローリング加工など行います。

強剛母趾の文献は?
 英語、ドイツ語の足の医学書には必ず載っている疾患ですが、日本語の文献は訳本を除くと、僅かしか有りません。強剛母趾は硬着母趾、強直母趾と呼ばれる事もありますが、整形外科学用語集(日本整形外科学会編、南江堂、第5版、2001年)に従い強剛母趾としました。

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