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マチワイヤ・テクニカル・ティップス (肉芽に対して) 高田馬場病院 町田英一 |
諸先生方の追試、御意見を戴ければ幸いである。
マチワイヤは巻き爪(弯曲爪)に対して有効であるが、軟部組織内の爪を即効的に出す力は無い。一方、従来の陥入爪に対する治療は、軟部組織内の物理的刺激を減らすだけで、爪を平坦にする力は無い。巻き爪と陥入爪は別の病態であり、両者が合併した時には難治陥入爪となる。
先の尖ったピンセットを用いて、爪甲の角に綿花を詰め込む。爪が短い場合には綿は入らないが、軟部組織を押すだけにして、爪が前に伸びるのに従い、入るようになる。
1-2%のキシロカインを数滴、肉芽に垂らす。米粒大の硝酸銀粒を肉芽と爪の縁の間に置くと、溶けて液状になり、15分くらいで皮膚が黒色になる。硝酸銀の溶けた液が他の部位の皮膚に付くと黒くなるので注意する。黒くなっても数週間で消える。
赤矢印の炎症のある部分に、初めから局所浸潤麻酔を行うと痛みが強いので避ける。痛みの少ない指神経ブロックを用いている。1足趾に1%のキシロカイン、約10ccを用いる。アドレナリンを添加してあるキシロカインEは指には用いない。
指神経の横断面における位置に合わせて4カ所に行う。指神経は指節骨のすぐ近くにあるので注射針の先端が骨に触れるくらいに深く刺入する。
チューブの材料は輸液セットの点滴管で、2-3cmの長さに切っておく。チューブの利点は、爪郭近位の炎症部位に対して閉鎖腔を作らず、dranageとして働き、侵出液の排出が出来るので、安全である。筆者の縫合法を用いれば5分以内で固定できる事である。
尖ったハサミでチューブを縦に裂く。
チューブの先端はベベル(bevel)、門松状に斜めに切る。
注射針を刺す時、注射針のベベルの先端からナイロン糸を通す時にルーペがあった方が良い。
爪棘があれば切除する。難治例では爪棘が多く見られる。
爪のエッジは軟部組織内で点線の部に隠れている。
爪縁に裂いたチューブを肉芽のある部位より近位まで進め、できるだけ爪母近くまで差し込む。
チューブを軟部組織から少し出るように切る。
下から上に向かって、23G注射針(ブルー)をチューブの1カ所と爪甲を貫いて刺す。皮膚と軟部組織には刺さない。
注射針先端に4-0ナイロン糸を通して、針を抜く。細かい作業なので手術用または、メガネ式のルーペを用いると楽である。
ナイロン糸を結ぶ。
外科用接着剤アロンアルファA(三共)を爪甲とチューブの境に付ける。
通常、1-2日で炎症、痛みは消失する。その後、発赤のある期間はシャワーのみ、「爪の周りの肉の赤みが無くなれば、入浴できます。」と説明している。経口抗生剤、鎮痛消炎剤は1日分出している。
数日後に診察しているが、発赤の残っている例は稀である。チューブは爪が伸びたら、先端をハサミで切る。1から2ヵ月後に抜糸してチューブを取り外す。